この連休、嫁女は仕事で忙しく、よって一人ふらりと唐津へ・・・・(笑。
吉木文志氏の五蘊坊(ごうんぼう)窯と、梶原靖元氏の大谷工房 飯洞甕(はんどうがめ)窯を訪れてきました。
五蘊坊窯の朝鮮唐津ぐい呑みと、飯洞甕窯の灰釉ぐい呑みと絵唐津湯呑みです。
それぞれの窯元の特徴が、よく出ていると思われる焼きものを手に入れました。
五蘊坊窯の朝鮮唐津ぐい呑み。
斑釉がよく溶けて鉄釉と混ざり、いい色合いになっています。
斑釉は、鉄釉に較べて融解温度が約100℃高いといわれ、斑釉の流れ込んだ鉄釉が、流れ落ちるギリギリのところで結晶化した、と見ることも出来るかと・・・・。
これぐらいの(白と黒の)割合が、どうも自分の好みのようです・・・・。
見込みには、融けて分厚く溜まった斑釉の中に、気泡がちらほら・・・・。
高台脇も、いい色に焼けています。
飯洞甕窯の灰釉ぐい呑み。
梶原さんにお話をうかがったところ、最近は青磁に興味があるということで、多少その傾向が現れているようにも思えました。
使われている釉薬は、羊歯(しだ)や色々なものの灰を調合してある、ということでした。
釉薬が縮み、独特の景色を作り出しています。
古唐津を調べると、稲の収穫量が多くなかったと想像される唐津の岸岳周辺では、当然貴重な稲藁は釉薬として使われず、羊歯(しだ)や雑木の灰を釉薬に使ったものが見られるそうで・・・・。
高台までかけられた釉薬には、胎土に含まれた鉄分由来か、所々に赤みが顕れています・・・・。
絵唐津湯呑み。
付け絵は、何が描かれているのかよく判りませんが(笑、何やら力強い雰囲気を感じました。
高台の縮緬皺(削った時に出来る皺)や、へらで削った高台脇に、硬質な胎土の雰囲気が出ています。
花崗岩が風雨や太陽熱によって風化し、それが水に流され堆積・熟成して粘土になる、ということは知っていましたが、こちらは「唐津らしい」粘土が使われているようです。