放送作家で、落語家(立川流有名人コースで初の真打ち)で、またDJでもある高田文夫氏の著作です。
高田文夫氏と言えば、我々の世代では「ビートたけしのオールナイトニッポン」や、「俺たちひょうきん族」の「ギョロメ高田」でお馴染みですね。 高田氏は、出版社社長の父親と、鳶の親方の娘だった母親の間に生まれ、子供の頃から寄席・舞台・映画・ラジオ・TVで「東京の笑い」にどっぷり浸かって育ち、日芸の落研時代は「明烏」と「居残り佐平次」で本牧亭を超満員にし、卒業後は当時の大物放送作家・塚田茂氏に師事、「ロッテ歌のアルバム」「夜のヒットスタジオ」「600こちら情報部」等の番組作りに参加、一人立ち後は「スターどっきりマル秘報告」「お笑いオンステージ」などのヒットを飛ばし、その後も数々の人気バラエティ-番組を手がけています。 この2冊は、著者自ら「高田2部作」と呼んでおります(笑。 「東京の笑い」「東京の芸人」を愛する著者が、追いかけ、出会ってきた名人達を、豊富なエピソードを交えて紹介しています。 「江戸前で笑いたい」は、笑いと関わってきた著者の人生を前編と後編に分け、それぞれ本の最初と最後に配し、その間に森田芳光氏や永六輔氏などによる芸人評と、落語家などの対談が盛り込まれ、質・量共に優れた「江戸前の笑い」への賛歌・解説になっています。私の馴染みのある芸人では、渥美清、三波伸介、コント55号、ツービートなどが出てきて、非常に懐かしかったですね。 「笑う二人」は、著者お気に入りの東京の芸人達との対談集です。 伊東四朗、三木のり平(桃屋のCMの声でも有名。故人)、イッセー尾形、萩本欽一、谷啓、春風亭小朝、青島幸男、三宅裕司、立川談志という豪華なメンバーを相手に、豊富な知識と当意即妙の合いの手、軽妙なノリで「お笑い」談義に花を咲かせています。 「オールナイトニッポン」をリアルタイムで聴いていた中学・高校時代は、失礼ながら高田氏の事を「たけしに取り入ろうとしている幇間(たいこもち)みたいな人」ぐらいにしか思っておりませんでした(笑。 談志師匠も「たけしに取り入り(中略)たけしをブレーキのきかないバイクに乗せたのも奴。風船おじさんの綱を切って空に飛ばしちゃったのもこの野郎の仕業だ」と「談志百選」の中で書かれていますし(笑。 「江戸前で笑いたい」を読んで、ツービートをTV・ラジオで世に送り出したのは、実は高田氏である事を初めて知り、当時の自分の浅薄さに呆れ。 また、「キャッチャーがいい音をさせて球を捕れば、ピッチャーは気分が良くなり、もっといい球を投げる。芸人も一緒で、ささいなボケにも突っ込み入れたり、面白がる事で自信がつき、さらに面白くなる」という意味の文章を目にし、芸人に対する思いの深さに感動しました。 この事については、当時明石屋さんまが「たけしさんが羨ましい。高田先生がいるから」と何かの番組で語っていたのを、はっきり覚えています。当時は意味がよく判りませんでしたが(笑。 立川藤志楼(とうしろう)こと高田文夫氏の落語を、一度は生で聴いてみたいですね。
by syotikure
| 2005-10-19 19:01
| 趣味(その他)
|
Comments(0)
|
カテゴリ
タグ
季(300)
ドライブ(191) 機(155) 絶景(113) 歴史(101) 絶品(98) 散歩(89) 起(84) 酒器(77) 沖縄(62) 霧島(61) お土産(51) 麦焼酎(30) 米焼酎(25) 盆栽(花もの)(25) 和(22) 読書(22) 芋焼酎(19) 盆栽(雑木)(16) 泡盛(14) 盆栽(松柏)(10) 焼き物(6) スポーツ(5) 盆栽(5) DVD・CD(5) 盆栽(松柏)(3) 焼きもの(3) ウィスキー(3) その他の焼酎(2) 犬(1) 盆栽(実もの)(1) 黒糖焼酎(1) 検索
バナー・リンク
にほんブログ村 にほんブログ村 宮崎県ランキング ・地元宮崎の焼酎と、正調粕取り焼酎の殿堂 南ん風 ・地元宮崎発の焼酎BBS しょちくれケンちゃん掲示板 ・球磨焼酎の殿堂 焼酎盆地 ・富山の焼酎探求家 越中芋組 ・建築設計女史の癒し系ブログ 木のこと。緑のことば。 そしてHP 小久保美香建築設計事務所 ・奈良の酒屋さん&パティシェ おたぬきの酒壷with3時のおやつ ・久家本店公式ブログ 常蔵ファンクラブ ・宮崎焼酎蔵元一覧 宮崎の本格焼酎 匠の蔵 ・門司に築いた穴窯で古備前を追求する、まじめなやきものやさん 郷原さん家の陶房だより フォロー中のブログ
酎州大分の麦焼酎バンザイ! 立ち呑み漂流 新規就農物語☆・・・農で起業! 立ち呑み漂流別館(立ち呑... ちまちま人生 節約ミニ盆栽記 いつまで続くか私の盆栽ブログ+ 焼酎看板コレクション 公民館東分館 dekitasiko おやめいけのヘロヘロ酒日記 なないろの風景 工房 無 彩々な風景 ~A Day... 宮崎弁データベース 櫨ノ谷便り 気ままなラクガキ帳 ファン
記事ランキング
ライフログ
マイ・フェバリット
最近読んだ本
以前の記事
2020年 12月 2020年 11月 2020年 01月 2018年 10月 2018年 05月 2018年 02月 2018年 01月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 11月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 その他のジャンル
ブログジャンル
|
ファン申請 |
||