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「江戸前で笑いたい」「笑うふたり」 高田文夫

「江戸前で笑いたい」「笑うふたり」 高田文夫_e0071319_18441575.jpg放送作家で、落語家(立川流有名人コースで初の真打ち)で、またDJでもある高田文夫氏の著作です。
高田文夫氏と言えば、我々の世代では「ビートたけしのオールナイトニッポン」や、「俺たちひょうきん族」の「ギョロメ高田」でお馴染みですね。

高田氏は、出版社社長の父親と、鳶の親方の娘だった母親の間に生まれ、子供の頃から寄席・舞台・映画・ラジオ・TVで「東京の笑い」にどっぷり浸かって育ち、日芸の落研時代は「明烏」と「居残り佐平次」で本牧亭を超満員にし、卒業後は当時の大物放送作家・塚田茂氏に師事、「ロッテ歌のアルバム」「夜のヒットスタジオ」「600こちら情報部」等の番組作りに参加、一人立ち後は「スターどっきりマル秘報告」「お笑いオンステージ」などのヒットを飛ばし、その後も数々の人気バラエティ-番組を手がけています。

この2冊は、著者自ら「高田2部作」と呼んでおります(笑。
「東京の笑い」「東京の芸人」を愛する著者が、追いかけ、出会ってきた名人達を、豊富なエピソードを交えて紹介しています。

「江戸前で笑いたい」は、笑いと関わってきた著者の人生を前編と後編に分け、それぞれ本の最初と最後に配し、その間に森田芳光氏や永六輔氏などによる芸人評と、落語家などの対談が盛り込まれ、質・量共に優れた「江戸前の笑い」への賛歌・解説になっています。私の馴染みのある芸人では、渥美清、三波伸介、コント55号、ツービートなどが出てきて、非常に懐かしかったですね。

「笑う二人」は、著者お気に入りの東京の芸人達との対談集です。
伊東四朗、三木のり平(桃屋のCMの声でも有名。故人)、イッセー尾形、萩本欽一、谷啓、春風亭小朝、青島幸男、三宅裕司、立川談志という豪華なメンバーを相手に、豊富な知識と当意即妙の合いの手、軽妙なノリで「お笑い」談義に花を咲かせています。

「オールナイトニッポン」をリアルタイムで聴いていた中学・高校時代は、失礼ながら高田氏の事を「たけしに取り入ろうとしている幇間(たいこもち)みたいな人」ぐらいにしか思っておりませんでした(笑。
談志師匠も「たけしに取り入り(中略)たけしをブレーキのきかないバイクに乗せたのも奴。風船おじさんの綱を切って空に飛ばしちゃったのもこの野郎の仕業だ」と「談志百選」の中で書かれていますし(笑。

「江戸前で笑いたい」を読んで、ツービートをTV・ラジオで世に送り出したのは、実は高田氏である事を初めて知り、当時の自分の浅薄さに呆れ。
また、「キャッチャーがいい音をさせて球を捕れば、ピッチャーは気分が良くなり、もっといい球を投げる。芸人も一緒で、ささいなボケにも突っ込み入れたり、面白がる事で自信がつき、さらに面白くなる」という意味の文章を目にし、芸人に対する思いの深さに感動しました。
この事については、当時明石屋さんまが「たけしさんが羨ましい。高田先生がいるから」と何かの番組で語っていたのを、はっきり覚えています。当時は意味がよく判りませんでしたが(笑。

立川藤志楼(とうしろう)こと高田文夫氏の落語を、一度は生で聴いてみたいですね。
by syotikure | 2005-10-19 19:01 | 趣味(その他) | Comments(0)
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