夏の旅―7 ~ 閑谷(しずたに)学校 ~ 


奥本さんの奥様に、この後の予定を聞かれ、特に何も決めてなかったので、
瀬戸内海でも眺めて、それから伊丹空港に向かおうかと思っていますとお伝えすると、
「時間があれば、近所の閑谷(しずたに)学校が良い所だから、見ていかれるといいですよ」
と教えて頂いたので、折角なので寄ってみることに・・・・。

奥本さんのお宅から車で10数分、山陽自動車道の下をくぐった山の中に、その学校はありました。
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1670年(寛文十年)、備前藩主池田光政が庶民教育を目的に開いた学校で、藩営の庶民教育学校としては日本最古だそうです。
大原孫三郎、備前焼の人間国宝・藤原啓、作家・正宗白鳥、童謡「赤とんぼ」の作詞者・三木露風などもこちらの出身だそうで、
それぞれ経歴が書かれた看板が立っていました。

こちらが校門。
扉の開閉する際の音から、「鶴鳴門」とも呼ばれているそうです。
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実はこの閑谷学校、屋根瓦全て、備前焼なんだそうで。
実に見事な色合いでした。

ほとんど狂いのないように見える、このほれぼれするような瓦屋根のカーブ・・・・。
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撮っている時はよく判りませんでしたが、かなり手が込んでいるようです・・・・。
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それにしても、鯱から屋根瓦まで、いい色合いです・・・・。

刺すような日差しの下、一時ぼーっと眺めていました・・・・(笑。

e0071319_210744.jpg東に隣接している神社の備前焼の瓦には、池田家の家紋である蝶の模様が入っていました。
よく見ると、割れたところが継いであり・・・・。
パッと見では判らないところにも、しっかりと手が入れられている感じでした。



旅行・温泉





こちらが国宝に指定されている、入母屋造り、錣(しころ)葺きの大屋根を乗せた講堂です。
一旦こけら葺きの屋根を作った上に、垂木ごとに漆を塗った一枚板を張り、その上に備前焼の瓦をのせているそうで、
手の込んだ作りです・・・・。
この敷地内の他の建物は、ほとんどが重文指定されているそうで。
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驚いたのは、床全面が漆拭きになっていること・・・・。
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通常は立ち入り禁止になっていて、特別な時だけ靴下を二枚履きにして入るそうです。
それにしても、当時はどうやって管理していたものか、毎回膝行していた訳でもないと思いますが・・・・(笑。

e0071319_2124813.jpg回廊の障子の枠には重厚な材料が使われ、柱も太く、手の届く範囲はしっかり磨き込まれている、といった印象でした。


e0071319_213715.jpgギシリとも鳴らない床板、一体どれぐらいの厚みがあるものか・・・・。


e0071319_2161396.jpg開き戸にも分厚い板が使われ、重厚そのものでした。

その重みに感心していたら、国宝だったことを思い出し(笑、間髪入れず係のおじさんから注意を受け、後から嫁女にも叱られ・・・・(笑。
思わず触れてしまう質感って、あるもんですね・・・・。


e0071319_2163735.jpg瓦の下の板が腐りにくいよう、排水用の陶管が備え付けられていて・・・・。
一国の教育の拠点として末長く使えるよう、創意工夫が凝らされている印象を受けました。


e0071319_2171368.jpgゆるやかな曲線が見事な石塀。
高さと奥行きが140~150cmもある、重厚な作りです。
「切り込みはぎ式」と呼ばれる精巧な石組みで、雑草などが生えぬよう、内部に洗浄した割栗石が詰められているという手の込みよう・・・・。


e0071319_2173641.jpg1701年(元禄十四年)に完成、敷地を一周し、渓流に沿い山腹を巡って全長765mあるそうです。


e0071319_218093.jpg見ていて気持ちがいいぐらい、スパッ!と角と平面が出されていました。
昔の石工の技術、すごいもんです・・・・。



当初は寄る予定もなかった閑谷学校でしたが、お勧めどおり来てよかったと思っています。
建築関係の知識が無い者にも解る圧倒的な質感と、340年前から守り続けられている強い意志を感じました。

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by syotikure | 2010-08-11 21:35 | | Trackback | Comments(2)
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Commented by kokubo at 2010-08-13 18:47 x
お久しぶりです!
旅日記を読んでいたら私も旅に行きたくなってしまいました。
街並素敵ですね。のんびり歩いてまわりたい場所ばかりですね。
空が青くて、夏の心地よいかんじも伝わってきました!
Commented by syotikure at 2010-08-13 22:02
kokuboさん、こんばんは。

今回の旅、強行軍ではありましたが(笑、好天といい出会いに恵まれました。
特に、倉敷市の大原美術館と、この備前市の閑谷学校の印象は強烈でしたね。
岡山方面に行かれる際は、お勧めです。
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